以前、優秀な女性のマネージャから相談を受けたことがあります。
そこは、サロンを全国に展開しており、来店されたかたに健康関連商品の体験をして頂き購入を頂くスタイルで販売を展開されています。
全国に30店舗以上の展開をされているので、規模も全体の売り上げも大きい会社です。売上も右肩上がりの状態で勢いがある会社です。
彼女は、店舗の店長を経験され大きな成果を上げました。また、他店舗への応援に行くとその日の売上が一気に上がるということで、他店のコンサルもされていました。
それから実績を積み上げて29歳という若さで、店舗全体をまとめる部長職に着きました。
そんな時に、私へ相談がありました。
自分が行けば売上は上がるんですが、チームとして売り上げを上げるために、各店の店長やスタッフの士気を高めたい。何度もミーティングをするけれど、中々結果につながらない。
こんな相談でした。
そこで、そのミーティングの内容をお聞きすると、目標設定やその達成に対する意識の持ち方や売り方のトークスクリプトの確認を行っていました。店内でのロールプレイングも定期的に行われていた様です。
私が注目したのは、各スタッフの方の仕事に対する目標の部分でした。
会社は、会社の考えやビジョンがあり、それを実現するために目標を明確にし計画を立てる。その為にスタッフの力が必要になるわけです。
スタッフにも、自分の信念や目標があります。そして、その為に会社を選択して目標に向かって働かれているわけです。
つまり、会社とスタッフの目標や信念に共通点がないと働く意味がないということになります。
分かりやすいのは、「お金」です。会社は売上を上げ、利益を得たい。スタッフは、そこに貢献して給料やインセンティブによる所得を上げたい。そこに共通点があるから頑張って働くと言うことになります。
ただ両者の「お金」という共通点は、目的(目標)では、ないということです。
これは、両者の目的を果たすため手段であるということです。
「手段」だけが目的になってしまっているのではないかということです。
従来は、この「お金」という手段だけが共通点になっても成功することが多くありました。むしろ、その成功例によって、「お金」の共通点で相互が結果を出した時代だったのかもしれません。
しかし、現代においては価値の考え方が大きく変わりました。「お金」が共通点の一つではありますが、その他の価値も共通点にする必要がある様になりました。
例えば、「時間」「余暇」「人の為に働く」「社会貢献」などがあります。
もちろん、以前からこの価値を共通点にしていたところも多くあったと思います。またそれらの価値が共通点にあるこは、取り上げなくても当然と考えていたところもあると思います。
私が、提案したのは、スタッフの目的をもう一度確認し、仕事をすることにより何をどう実現できるのかをすり合わせしてみてはどうだろうか?
そのためには、より具体的に考えてみることが大事。
あなたの仕事が、来店される方を幸せにして、それを周りの方が見て喜ぶことは想像できないだろうか?
それは、会社の掲げるビジョンや理念と共通するところはないだろうか?
実際の仕事の中で、来店者はどんなことが問題となっていたり悩みに感じているのだろうか?
それは、自分たちが解決できる手助けはできないだろうか?
他の店舗と連携して来店者が喜ぶ企画は作れないだろうか?
他の店舗はどの様に接客していて、共通する問題はないのだろうか?
彼女は、すぐに行動に移しました。
今まで、ZOOMを使った全体会議を月1回行われたいたミーティングを毎日短時間でも開催する様に変えました。
そこには、店長ではなくスタッフが直接参加するミーティングに変えました。
そこで発言されたスタッフの意見や要望を全体で解決できないか検討する様にしました。
技術的な問題は、支援スタッフが定期的に店舗訪問してアドバイスする様にしました。
各店舗の成功事例、失敗事例の共有から各店舗での対応方法を皆で考える時間をつくりました。
また、彼女は独自に各店長と相談してスタッフの為のイベントを考えてやった様です。スタッフに向かっての言動をするようにした様です。
結果をお聞きすると、各店舗で大きな変化が生まれて様です。
スタッフの意識が変わり、大きな成果となるだけでなくスタッフの成長を感じることができた様です。
これは、企業の連携やチームを作ったりコミュニティをつくる場合も同じことが言えます。
合同チームをつくると大儀にて集まる仲間が、いつかそれぞれの利益を優先するようになると継続が難しくなってきます。
共通点を見つけるには、「共通する価値」を明確にして相互に「理解と納得」をして行動する必要があると思います。